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Lee-Byung-hun addicted

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『Lovers in Hong Kong』 最終話

『Lovers in Hong Kong』 最終話


グランドハイアットの32階の一室。

「明日、早いんじゃない?やっぱ帰ろうか」

彼の部屋に入るなり揺はそう口にした。

「本当に帰るの?」

ドアが閉まるやいなや彼は揺を後ろから抱きしめる。

「そりゃ一緒にいたいけど・・」

揺はそういうと後ろから回された彼の腕をつかんでそっとキスをした。

「大丈夫。明日は午後から顔合わせだから。気にするな」

ビョンホンはそういうと揺の肩を抱き振り向かせる。

「揺・・・今日は何の日?」

時計は12時を回っている。

「え?今日?・・・あ・・・誕生日だ」

「やっぱり忘れてたんだ・・」

ビョンホンは呆れたように笑った。

「え?覚えてたの?」

「当たり前だろ。まあ、こうやって香港に来られたのは半分運だけど・・なるべく戻れるように調整してもらったんだ。
去年は最低の誕生日にしちゃったから」

揺は黙っている。

「揺・・・」

ビョンホンは彼女の顔を覗き込んだ。

「ありがとう・・・最高にうれしい。最高の誕生日プレゼントだわ」

「こんなプレゼントは序の口。ほら、こっち」

ビョンホンが揺の手を引いて部屋に入ると大きなベッドの上にGUCCIの紙袋が置かれていた。

「今日慌てて買ったから気に入るかな・・」

彼はニコニコ笑いながら紙袋からどんどんプレゼントの包みを出す。

「ねぇ・・いったいいくつ買ったの?」

揺は呆れたように笑いながら彼が出す包みをひとつずつ手に取る。

「ん?いっぱい。これ着てみろよ。秋の新作なんだって」

彼の手にはリボンがかかった大きな箱。

「え?何?・・・ドレス?わ~素敵じゃない」

「だろ~。見直した?本当は胸がガバ~ッって開いたセクシーなのが良かったんだけど他のやつに見せるのもったいないし、お前そういうの苦手だろ?」

「あら、よくわかってるんだ・・でも、こんなドレス着ていくところないわ・・」

揺は彼が選んだ黒いホルダーネックのトップにアイボリーのロングスカートがついたシンプルなドレスを手に取った揺は自分の身体に当ててカーテンが開いた夜景の見える窓にその姿を映した。

「パーティーなんてその気になればいくらだって連れて行けるんだから。
ほら、早く着てみろよ。」

「うん。」

揺は嬉しそうに返事をし、パウダールームにいそいそと向かった。




「どう?」

数分後、髪をルーズにアップにした揺が出てきた。

「おお・・似合う似合う。いいじゃん。丈もちょうど良かったね。」

ベッドに腰掛けて足をブラブラさせながら彼は満足そうに微笑んだ。

「そうよ・・なんでぴったりなの?」

不思議に思った揺はドレスの裾を眺めながら尋ねた。

「ん?それは僕が魔法使いだから」

自慢げな彼はすっと立ち上がって彼女に近づきぎゅっと抱きしめる。

そして彼女の耳元でそっとささやいた。

「ねぇ・・このドレスどうやって脱がせるの?」

「教えてあげない。・・・・魔法で脱がせたら?」

揺は意地悪そうにそう答えると彼を見つめてそっとやさしくキスをした。



揺はベッドの中、彼の腕に抱かれたまま次々と出てきたプレゼントの包みを開けていく。

「これは何かな・・」

彼は揺を胸に抱きながら、満足げに彼女の解いたプレゼントのリボンを彼女の髪に巻きつけていく。

「可愛い・・・」一人ほくそ笑む彼。

「わ!時計だよ。可愛い~~。
ありがとう。でも何だかとっても高そうよ。」

「大丈夫。働いてるから」

彼は自慢げに答えて彼女の左腕に時計をはめる。

「これは何?」

生まれたままの姿で時計だけを身にまとった揺は次の包みを開けた。

「大きいね。・・・・うわっ!バック。
これすごい可愛いじゃない。
書類入るし。シンプルでいいわ。色も夏っぽいし・・」

白いメッセンジャーバッグを抱えた大喜びの揺を眺めながら、今解いた大きいプレゼントに結ばれていた長いリボンをビョンホンは自分の首に巻きつけた。
そして彼女の肩にそっとキスをする。

「良かった・・気に入ってくれて」

にっこりと微笑む。

「あと何買ったの?」

ベッドの脇に転がった紙袋を覗こうとする揺の首筋に彼はそっとくちづける。

「もうおしまい。あとはたいした物じゃないよ。
後でゆっくり見せてあげるから。
それよりそろそろ一番大きなプレゼント欲しくない?・・・」

揺の横にはリボンを首に結んだ彼がにっこりと笑っていた。

「すっごく欲しい。ありがとうビョンホンssi・・・最高に幸せ」

揺は嬉しそうに微笑むと彼の首に結ばれたリボンを解いた。

そして「愛してる」と一言告げる。

「ああ。俺も最高に愛してる。お肌ツルツルだ・・カメゼリーの効果すごいね」

揺の身体を優しく撫でながら彼はふざけたように言うとゲラゲラと笑った。

「もう・・・バカ」と笑いながら揺。

香港の夜は始まったばかりだった・・・・・。



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